NEW MUSIC TROLL - 2023 YEAR END LIST
遅ればせながら2023年ベスト・アルバム編です!2022年は「年間ベストです!」って120タイトルくらい挙げてて、自分でもさすがに「もっと絞れるだろう」と思ったものですね。しかし今年は1年を通して本ブログで500タイトルに及ぼうかという数の作品を取り上げてきたわけなので、もうその時点で過剰じゃないですか。暇すぎる、いや好きなものが多すぎる気の多いアタシがついに思い切って「本当の好き」と向き合うとき、それが年間ベストを選ぶときなのさ。さて、作品の詳細についてはリリース日を目安に月毎の記事を参照していただければと思いますが、出てたの気づいてなかったけどめちゃ良いなこれ!といったような理由で突如として現れた本ブログ初出の作品に関しては軽く紹介します。それでは羅列、スタート~。
7038634357 - Neo Seven
release date: Jul. 28
release date: Jun. 2
お!これは今まで紹介していない作品ですぞ!メンフィスのアンダーグラウンド・ラッパーCities AvivことGavin Maysによる別プロジェクトAfrican-American Sound Recordingsが5月にセルフ・リリースしていたアルバム。アヴァンギャルドなトラックメイカーとして際立った存在であるMaysの"African-American"と冠されたインスト仕事をこれまで全くスルーしてきたことをまずは恥じたいが、なるほど彼がCities Avivとして作り上げるダビー&サイケデリックなアブストラクト系ビートから当たらずとも遠からずな純アンビエント・アルバムで素晴らしかったのです。まだビート・テープ的な性格が残されている前作『Tamika's Lodge』と比べると、本作ではミニマルな構造やドローンがいっそう追求されている。あぶねー、こんな傑作を取りこぼすところだった!7月には同じ路線の新作『The Private World Of Correspondence』もリリースしているのでそちらもどうぞ。
release date: Dec. 8
download: Break All Records
Alta Vista - Alta Vista
release date: Aug. 18
Anohni and the Johnsons - My Back Was A Bridge For You To Cross
Bendik Giske - Bendik Giske
release date: Jun. 9
Benefits - Nails
release date: Apr. 21
Bill Orcutt - "Jump On It" & "The Anxiety of Symmetry"
release date: Apr. 28 & May 26
Billy Woods x Kenny Segal - Maps
release date: May 5
Blod - "Där Ska Barnet Vara" & "Ondskans Frö"
release date: Feb. 20 & Sep. 21
bod [包家巷] - "Music for Film01" & "NONWARE 空件提高" & "enough music"
Cassandra Miller - Trabeller Song / Thanksong
release date: Sep. 15
Damien Jurado - "Motorcycle Madness" & "Passing the Giraffes"
release date: Oct. 9 & Nov. 1
download: Maraqopa Records
release date: Mar. 20 & Sep. 23
dragonchild - dragonchild
Dustin Wong - Perpetual Morphosis
release date: Aug. 4
Edsel Axle - Variable Happiness
Finlay Clark - Sicko
release date: Aug. 11
Fiesta en el vacío - Fiesta en el vacío
release date: Jan. 3
わ!これはなんだ!2023年始まってすぐにリリースされていたにも関わらず1月編で完全スルーしてしまっていたアルバムだ!フランスとアルゼンチンにルーツを持ち、現在はスペインを拠点に活動するシンガーソングライターLuna Cedrónによるアヴァン・ポップ・プロジェクトFiesta en el vacíoのセルフ・タイトル作。フラメンコやレゲトンといったスペインの音楽からも影響を受けたという宅録DIYシンセ・ポップ~コールド・ウェイヴの奇盤。HTRKやOmertàが好きなら絶対に聴いてくれ!収録曲"Dream Partner"のMVがマヤ・デレンっぽくて好き。
release date: Dec. 15
release date: Jan. 9 & Dec. 5
Honour - Àlááfíà
release date: Nov. 3
release date: Mar. 24
ludwig berger - photosynthetic beats – utricularia vulgaris, marais des pontins
release date: Jun. 16
Madison Greenstone - Resonance Studies in Ecstatic Consciousness
release date: Sep. 22
release date: Jul. 28 & Oct. 28
release date: Aug. 16
release date: Oct. 13
quinn - "interstate 185" & "i used to just cry about it"
release date: May 30 & Oct. 14
release date: Sep. 15
Slauson Malone 1 - EXCELSIOR
release date: Oct. 6
release date: May 9
release date: Jul. 12 & Dec. 15
THX1312 - "Auditions For Patron Saint ov Cop Suicide" & "Re-escalation Training"
release date: Apr. 7 & Dec. 10
release date: Oct. 21
release date: Aug. 4
羅列おわり。数えたら88項目(同アーティスト複数タイトルは1とする)でした。せっかくなので再発リイシュー系を"追い羅列"して100を目指します!
Arthur Russell - Picture of Bunny Rabbit
release date: Jun. 23
ジンバブエ生まれのパーカッショニストLori Vambeが1982年に自主リリースした録音作品をロンドンの再発レーベルStrutがリイシュー。1959年にロンドンに移住し独学でドラムを学んだVambeは、彫刻家アレクサンダー・ソコロフ、Bruce GilbertとGraham Lewisがプロデュースした唯一作が数年前に再発されたアウトサイダー・ミュージシャンMichael O'SheaらとThe Healing Drums of Brixtonというユニットで短期間活動していたのだという。本作はVambeが1982年に自主制作した連作アルバム『Drumland Dreamland』『Drumgita Solo』を基に構成されている。自作楽器drumgita(drum-guitar)が生み出すアール・ブリュット的なリズムとメロディー、そしてオーバーダビングやテープ・エフェクトを駆使した時空をゆがめる実験性がspiritual & ecstatic。Sun RaやMulatu Astatkeの再発でおなじみなStrut今回も素晴らしい仕事です!
Milford Graves, Arthur Doyle, Hugh Glover - Children of the Forest
release date: May 19
米国フリージャズ界のレジェンド・ドラマーMilford Graves、1976年の名盤『Babi』と同一メンバーによる未発表セッション音源!
Pot Valiant - Never Return
purl - winter
The Replacements - Tim (Let It Bleed Edition)
release date: Sep. 22
The Shadow Ring - "City Lights" & "Put the Music In Its Coffin"
release date: Oct. 6
Thinking Fellers Union Local 282 - These Things Remain Unassigned (singles, compilation tracks, rarities & unreleased recordings)
release date: Oct. 22
release date: May 19
release date: Apr. 7
せっかくなのでTwitterにツイートした映画の年間ベストも…。
『カミュなんて知らない』柳町光男
— 一 (@arenorow) December 28, 2023
『暴力団再武装』佐藤純彌
『Song of Avignon』メカス
『喜劇 家族同盟』前田陽一
『昨日と明日の間』川島雄三
『君と行くアメリカ航路』島耕二
『一晩中』アケルマン
『アイ・ジョージ物語 太陽の子』近藤節也
『雨にぬれた舗道』アルトマン
『本番』西村昭五郎
せっかくなので2023年に読んで印象深かった本も…
・ポール・B・プレシアド『あなたがたに話す私はモンスター 精神分析アカデミーへの報告』法政大学出版局
・リチャード・ライト『ネイティヴ・サン アメリカの息子』新潮文庫
・山根貞男『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅』草思社
・水野しず『親切人間論』講談社
・カーソン・マッカラーズ『マッカラーズ短編集』ちくま文庫
・イサーク・バーベリ『騎兵隊』松籟社
・真木悠介『自我の起原 愛とエゴイズムの動物社会学』岩波書店
・永井玲衣『水中の哲学者たち』晶文社
・ナンシー・フレイザー『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』ちくま新書
・森山至貴、能町みね子『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』朝日出版社
・トム・ルッツ『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たち』青土社
・木庭顕『誰のために法は生まれた』朝日出版社
・山家悠平『生き延びるための女性史 遊郭に響く<声>をたどって』青土社
・平山亜佐子『問題の女 本荘幽蘭伝』平凡社
・ポール・ラファルグ『怠ける権利』平凡社ライブラリー
・井奥陽子『近代美学入門』ちくま新書
・E.M.シオラン『歴史とユートピア』紀伊国屋書店
2023年ベスト現場は
11.23 SILICONE PRAIRIE × M.A.Z.E. JAPAN TOUR 2023@高円寺スタジオDOM w/My Society Pissed, マダムロス, 鏡
です!キャパ数十人のスタジオ内でのライブ。Silicone Prairie以外に観たのは、東京のハードコア・バンド鏡(KAGAMI)、ドラムとキーボードの女性2人組マダムロスでしたが、どちらもかっこよかったので皆も聴いてください。Silicone PrairieのIan Teepleとちょっと話して直接レコード買えたのも嬉しかったし、ライブでは初めてダイブの土台にされて軽く突き指をし、集まった数十人でFree Palestineを叫び、全員やりきって終演が日没前。ホント気分良かった。この日がジャパンツアー初日で、12月3日のツアーファイナル@小岩BUSH BASHにももちろん参加。知人のsioさんがボーカルをとるポストパンク・バンドschedersが対バンに呼ばれており、初めてライブを観て痺れる。両日を通して自分たち以外のバンドの演奏中に他のどの客よりもフロアを盛り上げていたSilicone Prairieメンバーは本当に素敵だった。ツアー中のIanのインスタグラムを眺めるのも楽しみでした。DIY最高!
といったところで締めたいと思います。ただの羅列をお読みいただきありがとうございました。
今年のテーマソングはこれにします!さよなら、さよなら、さよなら
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