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NEW MUSIC TROLL - OCT

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38KEA - 10​,​000 Roach 10,000 Roach 38KEA リッチモンドのラッパー/ビート・メーカー。 昨年の『 Keeper 』は意外なギターソング集だったが、本作は Big Up Menace X , Jak3 といったおなじみのコラボレーターも参加した本道アブストラクト・ヒップホップ。"The Proverbial They"では盟友 LAMPGOD (a.k.a.  LORETTA ABERDEEN ,  Bryant Canelo )共々痛烈にTikTokやGAFAMといったテック企業を攻撃し、"That Celebrate That"ではプラトン、ヘラクレイトス、エピクロスといった古代ギリシャの哲学者の名を持ち出して犬儒派 ディオゲネス でオチをつけるなど、リリックも鋭い。終盤のボイス・サンプルを用いた素晴らしいインスト"The Groovy Decline"のセルフ・ライナーで38は"世界中のグレゴール"に"I hear you"と呼び掛けているが、タイトルやアートワークのRoach(ゴキブリ)は、カフカ『変身』を念頭に置いたものなのかもしれない。 A. Savage - Several Songs About Fire Several Songs About Fire A. Savage Parquet CourtsのフロントマンAndrew Savageのソロ2ndがRouth Tradeから。テキサスに生まれたSavageが Teenage Cool Kids , Fergus & Geronimo を経て結成したParquet Courtsは10年代ニューヨークを代表する重要なバンドのひとつ、というか僕が10年代に最も入れあげていたバンドのひとつである。そんな彼は現在生活拠点をパリに移している(といってもツアーで欧米を飛び回っているようだ)。ニューヨークのアーティストとして、彼は常々ジェントリフィケーションや資本主義、暴力について 歌っていた のであり、それを移住の理由として仄めかすようなインタビューも見かけたが、それを踏まえると本作はさながらニューヨークへの別れのメッセージだ。ニューヨーク時代に近所に住んでいたホ