NEW MUSIC TROLL - MAR

3月編!

Aaron Dilloway - In Stitches
去る2月に10年ぶりの来日公演が実現したAaron Dillowayが日本滞在中に録音し、25本限定でカセットテープが販売された作品。"Dedicated to Alternative TV & Die Tödliche Doris."!

AJ Suede x Televangel - Parthian Shots
1月編でも取り上げたシアトルのラッパーAJ Suedeの今年2作目。昨年の『Metatron's Cube』に続いて元Blue Sky Black DeathのTelevangelとのジョイント作。アブストラクトでどことなくノスタルジックなトラック。

Anna Homler+Richard Sanderson - Glasgow Toy Bazaar
2016年にRVNG Intl.から85年作『Breadwoman』が再発された前衛アーティストAnna Homlerの2001年ライブ録音がグラスゴーのアーカイブ・レーベルscatterよりリリース。エレクトロニクスを用いたリチュアルなパフォーマンス。

April Magazine - Wesley's Convertible Tape For The South
サンフランシスコのインディーポップ/スロウコアバンドのBandcampオンリーのセリフリリース新作。西海岸の素敵ローファイ・レーベルPaisley Shirts Record (CindyFlowertownSad Eye Beatniks, 他)からリリースされた21年作『Sunday Music For An Overpass』がGalaxie 500好きの僕としては◎すぎたため以降追いかけているバンド。今作も最高です。

B Cool Aid - Leather Blvd
Pink SiifuとAhwleeによる西海岸neo-soul/hip-hopデュオの新作。Ahwleeのlaid-backなmood系ビートがさすがすぎる。Siifuの気怠げなフロウもしっかりマッチング。Liv.e, Jimetta Rose, さらにLadybug Mecca (Digable Planets)が客演参加。

Black Country, New Road - Live at Bush Hall
フロントマンのVo. Isaac Woodが突然バンドを脱退してケーキ屋に転職。残ったメンバーで一から作った新曲のみを演奏するライブ・フィルムが2月に公開され、3月にはそれが音源としてリリースされた。"Across The Pond Friend"とか本当にいい曲だし、Evansのヴォーカルにもなんだかグッとくる。

Blithe Field - Grits Kissed
ベッドルーム・ポッパーSpencer Radcliffe a.k.a. アンビエント・コラージュ・アーティストBlithe Fieldの3年ぶりの新作。Mixは実験レーベルRecitalのボスSean McCannが担当。

Bryozone - Eye Of Delirious
ウクライナ・キーウの実験レーベルMuscutより、3人組ダブバンドChilleraのベーシストGanna Bryzhataのソロデビュー作。Basinski風のメランコリックなアンビエントに始まったと思いきや、トライバルなビートを繰り出す"Ghost Tribe", "Liminal Tribe"を経て、ドローンで閉じられていくユニークな実験作品。

Christian Schiefner - Februar + Folgendes
仏実験カセット・レーベルFaltより。フィールド・レコーディングとテープループによるミュージック・コンクレート作品。

Debt Rag - Lost To The Fantasy
オリンピアの自称"adult punk"バンドの1stフル。Dean Spunt (No Age)が運営するPost Present Mediumより。Bikini KillのTobi Vailの別バンドgirlspermのメンバーでもあるMarissa Magicも所属。耳心地の悪いアヴァン・パンク。

Decuma - let's play pretend!
デトロイトの"作家, ミュージシャン, アウトロー実存主義者"Decumaによるエクスペリメンタル・ヒップホップ。コアにあるテーマは黒人男性としてさらされてきた差別("talent show.")、少年時代に受けた性的暴力("basketball.")など、複合的なトラウマについて。音楽的なインスピレーションはXiu Xiu, James Blake, Solange, coin locker kid, Björkから受けているのだという。ゲストミュージシャンのyskaIssei Herrとは、コリアン・アメリカンのアンビエント作家Lucy Liyouを通じて知り合ったとか。こういったジャンル横断性がとても好ましい。

Deem Spencer - adultSW!M
NYCの(ex-)ベッドルーム・ローファイ・ラッパーDeem Spencerの最新作。17年のミックステープ『we think we alone』がなぜか印象に残っていたのだが、それから6年が経って"how far we’ve come"では過去〜現在を見つめ、"the kids are listening","Sun singing outro"では次世代に希望を託している。大人か。

FUGITIVE BUBBLE - Delusion
オリンピアのアートパンクバンドの1stフル。ハードコアを通過したKleenexみたいな捻くれ感が◎。

JEFRE CANTU-LEDESMA - Poverty
単独名義のアルバムとしては4年ぶりの新作。まず冒頭からLedesmaらしからぬビートが刻まれるアンビエント・テクノ/ダウンテンポ志向の曲が続き、新機軸を示して見せる。中盤ではGrouerことLiz Harrisへのトリビュートと思わしき"Torn Ocean (For Liz)"や"Shame"といった彼の得意としてきたノイズ/ドローンを聞かせるが、次の"Non-person"ではまた攪乱的なビートを刻みだす。スリリングなシフトを見せた一作。

Joanne Robertson - Blue Car
Dean Blunt周辺で活動していたUKのSSW。未発表のソロレコーディングをまとめた一枚。Jesicca Pratt, HTRKファンはマスト。

JPEGMAFIA x Danny Brown - Scaring The Hoes
待望のコラボレーションがついに。タイトル曲のMV冒頭でオマージュされている伝説的なミーム"Unforgivable"について初めて知ったが、ひどかった~。

kip c - wakewalking
UKブリストルのラッパー最新ミックステープ。私好みのローファイ・アブストラクト・ラップ。

KMRU - glim
ケニアはナイロビ出身のサウンド・アーティストKMRUのセルフリリース新作。フィールド・レコーディングを含むアンビエント・ドローン。

Kota The Friend & Statik Selektah - To See A Sunset
ブルックリンのインディー・ラッパーKota The FriendとプロデューサーStatik Selektah、21年の『To Kill a Sunrise』に続くコラボ作。アートワークとタイトルでおわかりのようにジャジーでチルい。

Larry June x The Alchemist - The Great Escape
こちらも負けじとチルい。アルケミスト最新仕事。スペクトラム久保田早紀大橋純子などさすがの和モノ使い。Larry Juneのレイドバックなフロウも◎。

Lia Kohl - The Ceiling Reposes
シカゴのチェロ奏者Lia Kohlの2作目。昨年のデビュー作『Too Small To Be A Plain』もよかったが、今回はもっと良い。シカゴの素晴らしいアンビエント・レーベルAmerican Dreamsより。Longform Editionsで発表した楽曲"Untitled Radio (futile, fertile)"で試行されていたラジオ使いやエレクトロニクス、フィールド・レコーディングといった要素が見事に結実した傑作。ライブ映像も上がっていた。→https://www.youtube.com/watch?v=w_zdwAdf5GM

Lonnie Holley - Oh Me Oh My
文化人類学的アーカイブレーベルDust-to-Digitalから2012年に60歳にしてデビューを果たしたアメリカの黒人アーティストLonnie Holleyの最新作。Jagjaguwar移籍後には故Richard Swiftとの未発表セッション音源『National Freedom』などがあったが、今回はMoor Mother, Michael Stipe, Bon Iver, Sharon Van Etten, Jeff Parkerとさらに錚々たるゲストの顔ぶれ。少年時代に体験した南部の黒人差別を物語る中盤のハイライト"Mount Meigs"がすごい。"It's 71 years old and I still think of the days. The days and days and days and more days..."

Max Syedtollan - Disposables
グラスゴーの実験音楽家Max Syedtollanがロンドンのレーベル33-33からリリースした最新作。プレスリリースには"The Shadow Ring meets This Heat"なんて書かれていたが、どのようにも形容しがたい「ポップ」アルバム。

Memory Leaks Onto The Rug - Form
カリフォルニアのテープ・コラージュ・アーティスト。"Vaporwave is not dead"案件。

Morgan Garrett - Extreme Fantasy
Keith Rankin (Giant Claw)とSeth Grahamが運営する実験レーベルOrange Milkより。21世紀のJandekフォロワーがこんなところに案件。

Moss Icon - Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition)
Early Emoの重要作が30周年記念で再発。2012年に同じくTemporary Residenceから画期的なコンプリート・ディスコグラフィーがリリースされていたが、唯一のスタジオ・アルバムがオリジナルな形でしっかり再発されるのも喜ばしい。

MSPAINT - Post-American
ミシシッピのハードコアシーンから登場したシンセパンクスの1stフル。インタビューで影響を公言していたのは、DEVO, Sophie, そして『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』の音楽を手掛けたシンセサイザーのパイオニアでありトランスジェンダーの先駆でもあるWendy Carlos。大手レーベルLoma Vistaと契約したMilitarie GunのIan Sheltonがプロデュースに名を連ね、ゲストボーカルとしても参加。グラミーにもノミネートされたTurnstileの成功に繋がっていくかもしれない。


Mystic 100's - On a Micro Diet
誰も覚えていないかもしれないが、かつてMilk Musicというバンドがあった。2008年に結成されたくせに、80年代半ばから90年代頭くらいのSSTやHomesteadからレコードを出していそうな、砂漠で幻覚剤キメてそうな雰囲気を持ったバンドであった。2013年Fat Possumからリリースされた1stアルバム『Cruise Your Illusion』はそれなりの批評的成功を収めたが、以後数年は表立った活動はなかった。17年に突如として2nd『Mystic 100's』を発表。それでもライブは数えるほどしか行われなかった。そして今年、Milk Musicは前作のアルバムタイトルと同じMystic 100'sに改名して3作目のアルバム『On a Micro Diet』をリリースした。というわけで、これがそれです。ホントに不思議なバンドだなーと思うんだが、そのぶん思い入れも強くなってしまう。曲を聴いた印象は10年前と特に変わりがない。

Navy Blue - Ways of Knowing
Navy Blueことラッパー/プロデューサー/モデル/プロスケーターのSage Elsesser、まさかのDef Jamデビュー。全編をロンドン出身のビートメーカーBudgieがプロデュース。そのBudgieがfeat参加するレゲエ・サンプルの"To Fall In Love", Zerohが客演でラップと歌を披露する"Life's Terms", 祖父母への思いをラップする"Pillars"(ジャケットの写真は赤ん坊時代のElsesserと彼の祖父である), 両親からのボイスメッセージがバースを挟むラストの"Shadow's Shield", どれも美しい曲たち。

Olimpia Splendid - 2
ヘルシンキの女性3人組バンド、8年ぶりの2nd。覇気の感じられないドラムマシンのビート、絡み合う酩酊ギター、無表情にささやくボーカル。素晴らしい。

Patrick Stas - If Paul K​​.'s Life Was a Movie, This Would Be the Soundtrack of His Death
ベルギーの再発レーベルSTROOM.tvより、80年代ベルギーNEW WAVEシーンで活動し2020年に亡くなったアーティストPatrick Stasのコンピレーションがリリース。Dark Entriesが出してもおかしくなさそうなColdwave/Darkwaveのhidden gem。

Piotr Kurek - Peach Blossom
Seth Graham, Claire Rousay & More Eaze等の作品もリリースするワルシャワの実験レーベルMondojより、地元アーティストPiotr Kurekの新作。オートチューンを使った加工ボーカルのハーモニーを中心に据えたエクスペリメンタル・ミュージック。はっきり言って不気味なんだが、同時に大変ユニークで、ついついリピートしてしまう。

Powers/Pulice/Rolin - Prism
コロラドのアンビエント系レーベルcachedmediaより、ダルシマー奏者Jen Powers, フィンガースタイルのギタリストMatthew J. Rollin, そして昨年Moon Glyphから傑作アンビエント・ジャズを立て続けに発表したサックス奏者Colin Puliceのトリオ作品。素晴らしい。

Qontinue - Babatunde
トロントのラッパー/プロデューサーQontinueのデビュー作。アブストラクト系の新鋭がまた登場してしまった。

Richard Youngs - Modern Sorrow
UKベテラン実験作家Richard Youngsの最新作もオートチューン案件。ドラムマシーンと反復するピアノのサンプル音が刻むリズムに、強いピッチ補正のかかったヤングスの曖昧なボーカルがメロディーを乗せる。非常にシンプルな構成の作品ではあるが、間違いなく傑作。

Steve Gunn & David Moore - Reflections Vol. 1: Let the Moon Be a Planet
RVNG Intl.の新たなコラボレーション・シリーズ<Reflections>の第一弾は、ギタリストSteve Gunnとミニマル室内楽プロジェクトBing & Ruthを率いるDavid Mooreによるタッグ作。Gunnが昨年発表したRemix EP『Nakama』に"Reflection (Bing & Ruth Remix)"が収録されていたが、今作は一からのセッションで作り上げられた。美しいアンビエント・フォーク。

The Dark - Dressing the Corpse
オハイオの老舗インディーレーベルScatより、レーベル主催者でもあるRobert Griffinが在籍した80's ティーンエイジ・ハードコア/デスロック・バンドThe Darkのセッション音源集がリリース。ギターのGriffinは後にカルト・ハードコアSpike In Veinを、ベーシストとドラマーはThe Gunsを結成し活動することになる。

The Hirs Collective - We're Still Here
フィラデルフィアのDIY queerレーベルGet Betterの看板プロジェクトThe Hirs Collectiveの新作。30名以上の多彩な顔触れがfeat.ゲストとして参加しているが、その存在感は元々のHirsが湛えるポテンシャルにかき消されている。しかし、日本が世界に誇るエクストリーム・パンクスMelt-Bananaの参加曲はめっちゃMelt-Banana-lyで笑った。それからもちろんリリックを読もう(聞き取れはしないだろう)。
"When it's a struggle to live, you're making a killing."(Burn Your House Down)
"Society won't be happy. Humanity won't have dignity until the last capitalist is hung by the guts of the last bureaucrat scum."(Last King Meets Last Priest),
"We’re tired, but we’re still here to offer help to the more depleted and defused."(Bringing Light and Replenishments)

The Reds, Pinks and Purples - The Town That Cursed Your Name
Glenn Donaldson率いるサンフランシスコのギターポップ・プロジェクト最新作。多作で困るけど、Television Personalities中期の傑作『Privilege』、The Magnetic Fieldsのシンセポップ作『Holiday』、そしてSarah Recordsが好きなそこのあなたは間違いなく聴くべきなのである。

The Shapiros - Gone By Fall The Collected Works of The Shapiros
Black Tambourine, Glo-wormのPam Berry、本作と同じWorld of EchoからコンピレーションがリリースされたThe Cat's MiaowのBart Cummingsによる90's ギターポップ短命グループThe Shapirosの音源集。そんなのはもちろん良いに決まっているのだが、Beat Happeningの名曲"Cry For A Shadow"のカバーとか完璧すぎて悶絶した。

TisaKorean - Let Me Update My Status
個人的には今現在最もイカレているMC/トラックメイカーのひとりだと思っているmr.siLLyfLowことTisaKoreanの新作。00年代のクランクへのweirdなオマージュ。

Truth Cult - Walk the Wheel
Daniel Higgsが率いたDiscord所属のポストハードコアLungfishの曲名にちなんでバンド名をつけたというボルチモアのパンクバンドTruth Cultの2作目。ハードコア~エモの影響は感じさせつつ、クロスオーバーなバランスはカナダのハードコア・ヒーローFucked Upっぽかったり、男女ボーカルの掛け合いはLAパンクのレジェンドXのJohn DoeとExene Cervenkaのようでもある。DCパンクの重鎮J. Robbins(Jawbox, Burning Airlines)がプロデュースしているのも由緒正しい。

Tzusing - 绿帽 Green Hat
マレーシア出身、上海~台北を拠点にするインダストリアル・テクノDJ Tsuzing。2017年の『東​方​不​敗』以来の2ndがおなじみPANより。中国では「緑の帽子をかぶる」という表現は「寝取られ」を意味するらしく、男らしさにとっての恥の象徴であるGreen Hatをタイトルに据えて、異性愛主義的家父長制の解体を提言しようとしたのだという。

Various Artists - Blacklips Bar- Androgyns and Deviants 
ANOHNIが1992年に創設した前衛ドラァグ・パフォーマンス集団The Blacklips Performance Cultのオリジナル・レコーディングと共同創設者Johanna Constantineが選曲したDJトラックをコンパイルしたアンソロジー。アンダーグラウンドシネマおよびドラァグ・カルチャーの重要作『燃え上がる生物』を撮ったジャック・スミスにインスピレーションを受けて、創設当時は道端のゴミを拾ってステージ・セットを作るなどしていたというが、彼ら同様スミスに当然影響を受けたジョン・ウォーターズの映画の常連俳優イディス・マッセイが歌う"Punks, Get off the Grass"もコンピに収録。出演者のひとりによるルー・リード"Satellite of Love"のカバーも印象に残る。エイズ禍のNYCナイトライフのムードを伝える素晴らしい再発企画。当時の様子をアーカイブした本『BLACKLIPS: HER LIFE AND HER MANY, MANY DEATHS』も同時に発刊されている。

Weston Olencki - Solo Horn
Tongue Depressorとの共作も2月にリリースしたベルリン在住のアーティストWeston Olenckiによる極フィジカルなトロンボーン・ノイズ作品。スコットランドのカセット・レーベルSound Holesの"Solo Horn"シリーズの一作として発表。

William Basinski - The Clocktower at the Beach
1979年に録音された極初期の未発表作品がLINEよりリリース。夜のソーセージ工場の稼働音と、路上で拾った壊れたTVセットの音を用いたテープループによるドローン・アンビエント。

William Tyler And The Impossible Truth - Secret Stratosphere
2021年に録音された4人組編成でのライブ・アルバム。バックを務めるThe Impossible Truthのメンバーは、同じ21年にLeavingからリリースされたTylerとのコンビ作品『Understand』が素晴らしかったペダルスチール奏者Luke Schneider、一時期Tylerと共にSilver Jewsで活動もしていたドラマーBrian Kotzur、ラカンターズやデッド・ウェザーといったジャック・ホワイトのバンドでベースを弾くJack Lawrence。既存曲のコズミックなバンド・アレンジや土臭い新曲など、今のTylerのモードが伝わる一枚。

Winston Hightower - Hit Me Im Open!
オハイオ州コロンバスのlo-fi宅録ソロプロジェクト?詳しいことはよくわからないWinston Hightowerの最新リリース。21年にLet's Pretendから出たミックステープ『As Per My Last Email』で衝撃受けてBandcampページをフォローしていたら、突然新しいリリースの通知が。聴いてみたらやっぱり良い。謎。

Xiu Xiu - Ignore Grief
われらがシュシュ通算13作目。Jamie StewartとAngela Seoに加えて、今作よりSparks, Devoの元メンバーDavid Kendrickがドラムとして正式加入。14年の『Angel Guts: Red Classroom』(『天使のはらわた 赤い教室』!)、19年の『Girl With Basket of Fruit』同様のインダストリアル&ハード・エクスペリメンタル路線。歌詞には性的/家庭内暴力や死、トラウマといったセンシティブなトピックが横溢する。1曲目“The Real Chaos Cha Cha Cha”でSeoが囁く“He beat she too bad. what a God awful wonder is Man.”というラインが本作における彼らの人間観を簡潔に示している。


Yaya Bey - Exodus the North Star

昨年の傑作『Remember Your North Star』に収録されなかった楽曲をサルベージしたEP。レゲエ調のスウィートなM1, M2、ネオソウルなM4が◎。

Yves Tumor - Praise A Lord Who Chews But Which Does Not Consume;(Or Simply, Hot Between Worlds)
中盤の"Parody"→“Heaven Surrounds Us Like a Hood”→"Operator"、それからラスト3曲の流れが最高。にしても、このロック路線はいつまで続くのだろう。毎度言っているが、Warp移籍直前にSoundcloudでセルフリリースしたミックステープ『Experiencing The Deposit Of Faith』のフィジカル再発お願いします。

Zelooperz - Microphone Fiend
Danny Brown率いるBruiser Brigade所属のデトロイト出身ラッパー新作。彼の強みであるユニークな声と不定形なスタイルがやはり輝く。"Brainfreeze"で聴かせる甘い歌声の意外性。盟友Dilipのビートも変幻自在だ。タイトルトラック"Microphone Fiend"には1月にリリースされたEPに引き続いて日本人ラッパーYoung Cocoが参加。"Eway"で客演とプロデュースを兼ねる454もものすごい個性派。

暴力温泉芸者 - わがままなおふくろ
イタリアのハードコアなハーシュ・ノイズ・レーベルUrashimaより、21年の『Shock! Shock! Shock!』に続いて暴力温泉芸者 a.k.a. 中原昌也の初期カセット作品が再発。疲れた時に聴きましょう。

3月編終わり。