NEW MUSIC TROLL - MAY

 

Abdur Razzaq & Rafiyq - Night Of Power (Laylatu'l Qadri)
オリジナル盤はウン十万クラスであろう1983年のオブスキュアな宅録スピリチュアル・ジャズ作品がカナダのSéance Centreから再発。4月編で取り上げたJoshua Abrams率いるNatural Information Societyの新譜でもドラムマシンがさりげなく活躍していたが、エレピ+ミニモーグ+スポークン・ワーズというシンプルな編成の本作では、より一層独特なムードを印象付ける。


Ben Vida w/ Yarn/Wire and Nina Dante - The Beat My Head Hit
Joshua Abramsと共にTown And Countryで活動していたBen Vida、NYのピアノ&パーカッション・カルテットYarn/WireのRussell GreenbergとLaura Barger、室内楽奏者・歌手Nina Danteによるモダン・クラシカル作品。シンプルなピアノの旋律と4者のユニゾンによる"メタ・ボイス"のミニマルなアンサンブルが非常に耳心地良い。静謐なボーカル・アンビエント。Shelter Pressから。


Bill Orcutt - The Anxiety of Symmetry
4月編でアコースティック作品『Jump On It』を取り上げた前衛ギタリストBill Orcuttが早くも新作をリリース。といっても、ギター・アルバムではない。2020年の『PURE GENIUS』、2021年の『A MECHANICAL JOEY』に連なる、数字をカウントする声のサンプリング&ループによる"counting album"の第3弾だ。執拗に機械信号的なリズムを突き詰めた前2作ももちろん傑作ではあったが、今回はそこにハーモニーが加わっており、また新たなリスニング体験をさせてくれる。最高です。


Billy Woods x Kenny Segal - Maps
NYCアンダーグラウンドHIP HOPを牽引するBackwoodz Studiozのボスbilly woodsの2023年最新作は、2019年の傑作『Hiding Places』以来となるKenny Segalとのタッグ。Future IslandsのVo. Samuel T. Herringが参加したジャジーな先行シングル"FaceTime"やダブル・ベースが唸る"Blue Smoke"、温かなギターのフレーズを基調にした"Softlanding"や"NYC Tapwater"など、21年発表のグッド・ヴァイブスなビートテープ『INDOORS』で聴かれたようなSegalらしいビートはもちろんお気に入り。はたまたAphex Twinをサンプルした"Babylon by Bus"やIDMなアンビエント系ビートの"Baby Steps"なども良い。woods自身が"post-pandemic album"と説明するように、リリックにはツアー・ミュージシャンとしての旅の経験が直に反映されている。「サウンドチェックはしない。楽屋は明るすぎるから使わない。」("Soundcheck")、「Uberに300ドルかかった」("Baby Steps")といった実際的な愚痴や、社会や自分自身に関する洞察がアイロニーとユーモアたっぷりに開陳されていくが、旅を終えてやっとこさホームに帰ってくるラスト2曲がまた素晴らしい。愛猫を膝に抱き、お香を焚いてリラックスしながら、ふと「このすべてが本当に必要なのだろうか」と自問し("NYC Tapwater")、ジャングルジムで遊ぶ我が子の姿をみて、自分があとどのくらい生きられるのだろうかと考える("As The Crow Flies")。ロード・ムービーの静謐なエンディング。Backwoodz Studiozの20年の歩みをまとめたPitchforkの記事が勉強になりました。


bod [包家巷] - Music for Film01
Year001でのリリースもある、ベルリン在住のチャイニーズ・アメリカンbodことNicholas Zhuが、カルチャーブログ/メール・マガジン"angelicism01 滲み出るエロス(@is_this_are)"による実験ドキュメンタリー(?)映画『Film01』別名『i love you so much forever for one last time』のために書き下ろしたアンビエント・サウンドトラック。そのangelicism01 滲み出るエロスについてはよくわかっていないのだが、インターネット・ミームのデータベースKnow Your Memeによれば、Anti-Trumpをきっかけに登場したオルタナ左翼的な何某であろうと思われる。YouTubeチャンネルにアップロードされている映像作品としては『VIBE SHIFT (2021)』。昨年にもbodとのコラボレーション『Music Made by Other People』が公開されている。全21曲の同名アルバムはこちら。映画も気にはなるが、ひとまず非常に好みのアンビエント・ミュージックであります。


Brent Cordero, Peter Kerlin - A Sublime Madness
テキサスのフリー・ジャズ・レーベルAstral Spiritsより、Sacred Bones所属のサイケ・バンドPsychic IllsのキーボーディストBrent Corderoとアヴァン・ジャズ・カルテットSunwatchersのベーシストPeter Kerlinによるコラボレーション作品。Cass McCombsやSteve Gunn, Manata Roberts, Mette Rasmussen(1月編で参加作品『Crying In Space』を取り上げた)などと共演してきたロック~ジャズを横断するマルチなドラマーRyan Sawyerもメインで参加。Yo La TengoやDavid Grubbsのアルバムにも参加しているベテラン・サックス&フルート奏者Daniel Carter、今年Anti-からリーダー作品をリリースしたJames Brandon Lewis、Anthony Braxton SeptetのヴァイオリニストJessica Pavoneらをゲストに、ブラック・アクティヴィズムへのトリビュートを含むスピリチュアル・ジャズ全5曲。


Califone - Villagers
元Red Red Meat, Ugly CasanovaのTim Rutili率いるエクスペリメンタル・フォーク・グループCalifoneの最新作。Califoneはいつでも素晴らしいので全作聴いてほしいんだが、今作で特筆しておきたいのはLAのシンガーソングライターMax Knouseが全面参加している点だ。シカゴ音響とも関わりの深いサポート・ギタリストMichael Krassner(Boxhead Ensemble)がRutiliに紹介したのだという。彼のソロ作品も素晴らしいので聴いてみてくれよな。過去に"Karen Black forgets the words"と歌ったRutiliが”skunkish"においてロバート・アルトマン『ギャンブラー(McCabe and Mrs. Miller)』に言及するのは至って自然に思えるが、Aquarium Drunkardでのインタビューでは、『The Naked』や『脱出おひとり島』といったTVのリアリティーショーにも影響を受けたと冗談半分に語っていた。本当かよ。


Canaan Amber - CA
Dusterのオリジナル・メンバーCanaan Amberがバンド活動休止中の2010年にリリースしていた5曲入りソロEPがデモ等追加で再リリース。インスト曲も多いが、Dusterが湛えるSadなかんじがスコッと抜けたようなファジー・ポップ集。関係ないけど、YouTube上にはDusterのギター・チュートリアル動画やカバー動画が数多く存在していることを知った。中には15万くらい再生されているものもあり、ここ1~2年で公開されているものもかなり多い。僕レコード店勤務なんですが、たしかにDuster関連は入荷すれば意外なほど売れていく。こういった再発見は非常に喜ばしいことです。


Chuck Strangers - The Boys and Girls EP
Joey Bada$$率いるPro Era所属のプロデューサー/ラッパーChuck Strangersの10曲入り新作EP。Pink Siifu, Fly Anakin, MIKE, YUNGMORPHEUSなどのリリースをしてきたLex Recordsから。18年の『Consumers Park』と聴き比べると、なるほど彼のモードの変化がよくわかる。Pink Siifu & Fly Anakin, Navy Blueがfeat.参加。


Cisco Swank - More Better
Luke TitusとのコラボEP『Some Things Take Time』で名をあげたブルックリンのシンガー/プロデューサー/マルチ奏者Cisco SwankことFrancisco Hayeのソロ・デビュー作。いかにもグラスパー以降のネオソウル/ヒップホップといったかんじ。ジャズ・トランぺッターAmbrose Akinmusire参加の"You"とか素晴らしいす。


Dean Johnson - Nothing for Me Please
シアトルのローカル・シーンで活躍してきたというフォーク・シンガーDean Johnsonのデビュー作。2021年に公開された"True Love"のパフォーマンス動画は15万回も再生されているし、アメリカーナ・ファンの間ではすでに名の知れた存在だったのかもしれない。アルバム自体は2018年に録音されており、5年越しのリリースということになる。素朴で美しいラブソング・バラード集。


Death Trap - Televisions
2022年にセルフ・リリースされていたアルバムが、おなじみミズーリのミッドウェスト・エモ専門レーベルHoneysuckleから正式リリース。何の変哲もないベッドルーム・ローファイ・サッド・ボーイ・ロックといってしまえばその通りなのだが、何の変哲もないベッドルーム・ローファイ・サッド・ボーイ・ロック好きだろうが。bedbugやyour arms are my cocoonやDead Sullivanが好きでたまらないそこの君!そう、君だよ君、君は聴いてくれ。


Diego Caicedo - Ascendit In Inferno
コロンビア出身バルセロナ在住の実験ギタリストDiego Caicedoが同じくバルセロナの新興レーベルSchool of the Artsからリリースした作品。アコースティック・ギターによる不協和音の即興演奏とエレキ・ギターによる灰野敬二みたいなバイオレント・ノイズが交互に襲来する全6曲。


ELWD - MONOCHROME
UKのビートメーカーELWDが多数のMCをゲストに迎えて制作したラップ・アルバム。VRITRA, YUNGMORPHEUS, AKAI SOLO, Obijuan, Archibald Slim, NAPPYNAPPA (model home)といった名の知れたメンバーが集合。NYCアンダーグラウンド感たっぷりのアブストラクト・ヒップホップ。


Everyone Asked About You - Let's Be Enemies
90年代後半に短期間活動したアーカンソーの4ピース・バンドEveryone Asked About Youの編集盤が、エモの掘り起こしに力を注ぐNumero Groupより再リリース。まあCap'n Jazz直系のミッドウェスト・エモなのだが、男女混声というのがやっぱり強い。エモ・マナーに沿った男声とは対照的に、なんだか超然としてTweeなムードすら醸す女性ボーカルが良い。


Fog Lake - midnight society
カナダのベッドルーム・ローファイ・プロジェクトFog Lakeのセルフ・リリース新作。10年代の宅録インディー・シーンを牽引したOrchid Tapesに登場したころと何も変わらず、未だに"did i waste your time like i wasted mine?"とか、そんなようなこと歌ってて大丈夫か?と思わないこともないんだが、いやいや人はなかなか変われるものではないですよ(切実)。やっぱり僕はこういう音楽に幾分か心を救われる。


GLAAS - Cruel Heart, Cold Summer
UKのパンク・レーベルStatic Shockより、昨年の1st LPに続いてベルリンのアナーコ・パンクスGLAASが4曲EPをリリース。クレジットをよくよく見ると、ちゃっかりギタリストが変わっているが。アダルトなサックスの音色が響き渡る、ダウンテンポでドープなタイトル曲はNo Trendをも彷彿とさせる。


Greg Mendez - Greg Mendez
2006年頃からMyspace上で曲を公開するなどDIYに活動してきたフィラデルフィアのシンガーソングライターGreg Mendezのセルフ・タイトル作。10代からオピオイド中毒に苦しみ、グラフィック・デザイナーを目指して大学に進学したものの奨学金を使い果たしてドロップ・アウト。就職もうまくいかず、3~4年間ほとんどホームレスのような状態でヘロイン、コカイン、アルコール漬けのボロボロな生活をしていたのだという。NYでの更生生活中に作られた2分足らずのポップ・ソング"Maria"は、自分の過去を他人に語ることの不安と、ふと襲ってくる薬物依存の悪魔的囁きを歌った、アルバム中でも傑出した楽曲だ。Phil Elverum(The Microphones)やElliott Smith、初期The Mountain Goatsからの影響は強そう。


Hannah Jadagu - Aperture
iPhone7で録音した21年のEPでSub Popからデビューした宅録SSW、Hannah Jadaguの1stフル。Soccer MommyやBeabadoobeeを連想するベッドルーム・オルタナを基調にしつつも、"Admit it"や本作のハイライト"Warning Sign"でのインディーR&B的アプローチが素晴らしい。


Horse Jumper of Love - Heartbreak Rules
ボストンの3人組スロウコア・バンド。昨年のアルバム『Natural Part』から1年足らずで新曲8曲を含む新作をリリース。といっても、これらはフロントマンDimitri GiannopoulosとエンジニアのBradford Kriegerの2人が、5日間の山籠もりキャンプ中にカジュアルに録音した楽曲たちである。Giannopoulosのソング・ライティングは相変わらず素晴らしいが、本編ラストの"Singing by the Sink"や、前作収録の名曲"I Poured Sugar in Your Shoes"の弾き語りver、The Smashing Pumpkins "Luna"のカバーといったエクストラ・トラックにはパンデミック下における開放的な雰囲気が特に感じられて良い。


Jam City - Jam City Presents EFM
クラバーの間では2012年のデビュー作『Classical Curves』がガラージの名盤として名高いUKのプロデューサーJam Cityの最新作。クラブ音楽がよくわからない私は、2018年に今は亡き反体制音楽ブログTiny Mix TapesがSoundcloud上のMIX『EARTHLY 000』を取り上げていて知ったクチで、20年の『Pillowland』もアシッド&ドリーミーなエレクトロ/ディスコ・ポップとして気に入っていたわけなのだが、本作もその甘いポップ路線。M3. "Do It"は巨乳ポルノ界の大家ラス・メイヤー監督の歴史的名作『ファスター・プシィキャット・キル・キル』のトゥラ・サターナのセリフ"I Never Try Anything. I Just Do It."を引用した大変クールな楽曲となっている。


Jay Worthy & Roc Marciano - Nothing Bigger Than the Program
NYアンダーグラウンドのレジェンドRoc Marcianoとバンクーバー出身のMC Jay Worthyのジョイント作。MarciはMCとしても抜群だが、やはりビートメーカーとしても傑出した存在であることを確認。


Joni Void - Everyday Is The Song
カナダのサウンド・コラージュ・アーティストJoni Voidの最新3rd。既存曲のサンプルや、ウォークマンで録った音素材の断片をベースに、それらをモンタージュして作り上げられた私的サウンド・アート作品。牧歌的な都市の風景が脳内に捏造されるような、恍惚としたリスニング体験であった。素晴らしい。M4. "Non-Locality"では山本精一 & Phewの"幸福のすみか"(主に精一のギター)を、M7. "In-Between Moments"では実験映画作家マヤ・デレンのスピーチをサンプリングするなど、クレジットを眺めるだけでも興味を惹かれる。ちなみにアートワークは湯浅政明!


Jozef Dumoulin - This Body, This Life
ベルギーのジャズ・ピアニストJozef Dumoulinが仏実験レーベルCartonからリリースした新作。フェンダー・ローズの即興演奏を軸に、シンセサイザーやエレクトロニクス、マシン・ビート、ボイス・サンプル、ノイズ、フィールド録音等を取り入れたエクスペリメンタル・ジャズ。たまたまCartonのBandcampページをフォローしていて初めて知った人だったが、2016年には灰野敬二との共演作品もあった。


k2dj - stay inside
アンビエント作家Ben Bondyの変名プロジェクト。more eaze参加の1曲目だけが例外的で、残りの5曲はBondyのアンビエント・トラックに、強力にオートチューン加工されたような曖昧なボーカルが乗せられる。アコースティック・ギターの優しいフレーズがループする6曲目"Starty"では、不明瞭だったボーカルの輪郭がいよいよあらわになる。これがBondyの声なのか、誰の声なのかはわからないが、この最後の曲がすごく良いのだ。claire rousay + more eaze『an afternoon whine』やkatie deyの初期作品なんかが好きだった方には是非聴いていただきたいと思います。


Klamm & Pelikán - Metal
Jan KlammとPatrik Pelikánからなるプラハの即興ノイズ・ユニットKlamm & Pelikánが地元の実験レーベルStoned To Deathからリリースしたライブ録音作品。Klammが設立したレーベルKLaNGundKRaCHを拠点に、2008年ごろからノイズ・グループRUiNUとしても活動してきたという両者。ギター、アルト・サックス、テープ・ループ、加工ボーカル等による細切れのノイズがひっきりなしに迫り来る、お耳の恋人的アルバムです!


Ky - Power Is The Pharmacy
モントリオールのアンダーグラウンド・シーンで活動するミュージシャンKy Brooks(ex-Lungbutter)のソロ作品。4人で行われたシンセ、エレクトロニクスの即興セッションを元に、総勢10名以上のミュージシャンが主にリモートでそこに肉付けを施し、Ky自身が"10000000万年"かけてミックスしたという、本人曰くコラージュに近いプロセスで制作されたアルバム。共犯者の中には、エクストリーム・メタル・バンドBIG|BRAVEのギタリストMathieu Ballや、『Glass Gallery』(2021)が素晴らしかったアンビエント・シンセ奏者Nick Schofield等、馴染みのある名前も見受けられる。ニューエイジ・アンビエント、コールド・ウェーブ、スラッジ・メタル、ノイズ、Diamanda Galasなどの要素が複雑に絡み合い、たしかにジャンル不確定なコラージュ感があり、刺激的だ。Schofieldの浮遊するモーグシンセとオートチューン・ボーカルを中心に比較的シンプルに構成されるM2. "All The Sad And Loving People"は2021年に亡くなったLungbutterのドラマーJoni Sadlerに捧げられている。


Laptop Funeral - something blue
ブルックリンのDIYアーティストLaptop Funeralが、自動車事故によるPTSDの治療過程で制作した自己セラピー的なベッドルーム・ポップ集。事故からの立ち直りアルバムといえば、Man ForeverことドラマーJohn Colpittsの2022年作品『Music from the Accident』が思い出されるのだが、まあそれは置いておいて、音楽的に連想したのはシカゴのインディー・フォーク・レーベルOrindalから2021年にリリースされたタトゥー・アーティストJill Whitの『time is being』だ。全体にアンビエントなムードが漂っている。


Loraine James - 2013-2015
昨年はJulius Eastmanオマージュの『Building Something Beautiful For Me』、Whatever The Weather名義でのアンビエント/IDM作のリリース、そして初来日と、話題が絶えなかったLoraine James。すでに9月リリースの新作『Gentle Confrontation』がアナウンスされているが、それに先駆けというか、たぶん気まぐれに、2013年~15年に制作された初期音源集がBandcampで数日間フリーで公開されていたのだった。もちろん僕はすかさずダウンロードしたわけなのだが、ページ削除後、誰かがYouTubeにまるっとアップロードしておりました(James本人も気がついて「見逃していた方はこちらでどうぞ」的なツイートをしていた)。ハイライトはやはりラストのビヨンセRemixだろう。聴き逃した方、どうぞ!


Lucy Liyou - Dog Dreams (개꿈)
サンフランシスコ在住コリアン・アメリカンのアーティストLucy Liyouの新作がシカゴの実験レーベルAmerican Dreamsより。同レーベルはLiyouの20年作『Welfare』と21年作『Practice』を合わせた2LPの編集盤『Welfare / Practice』のリリースも行っている。これまでのLiyouのサウンドといえば、ピアノとシンセ・アンビエント、フィールド・レコーディング、ASMR的な声の使用、そして中心にはテキスト/詩を読み上げる機械音声があったのだが、今作では自らの歌声にフォーカスをし、カタルシスをすら託している。歌うことについて、Liyouはインタビューで、その瞬間への即時的な反応として歌わなければならない/歌いたいと感じたら歌う、と話していた。それが“Please don't let me go.”(“Fold The Horse”)という言葉の地点で起こったということなのか。Romanceがそれを対象化しながら追究するロマン主義を、自身の身体やジェンダー・アイデンティティ、瞬間瞬間の潜在的な心の動きに即して表現しているようでもある。2曲目“April in Paris”の終盤Liyouは“I can be everything. A son, A daughter, Spring.” と語る。本当に美しい作品だと思います。

mHz - Proof Of Identity
イラン出身のサウンド・アーティストmHZことMo H. Zareeiの新作テープ。TVやラジオで流れていた「伝統的なイラン音楽」をサンプルに再構成されたパターン・ベースのエレクトロニック作品。"身元証明"というタイトルと、本人のステートメントが興味深い。「パフォーマティブなリベラリズム」が「恩着せがましいパターナリズムによって他者性をエキゾチックなもの」にし、「過度な"多様性と包括"」の元に「排他的行為」が為される場合があり、「脱植民地化自体が植民地化されてきた」のだという。なかなか難しいが、「リベラルのパターナリズム」は、なんか分かるよ!その上で本作では、彼自身「影響を受けたとも興味深いとも感じたことがない」オリエンタルな音楽を分解・再構築し、聴者の西洋的なバイアスを攪乱する。


Midwife & Vyva Melinkolya - Orbweaving
MidwifeとVyva Melinkolya、2組のシューゲイズ・アクトによる納得のコラボレーション作。2019年に知り合った二人はすぐさま意気投合。毎週オンラインで通話するほど親密な関係になり、Midwifeの前作『Luminol』でのコラボレーションを経て、ニューメキシコの砂漠にある彼女の自宅兼スタジオで共にセッションをしながら本作を作りあげていった。レコーディングの合間、二人は蛇や蜘蛛をさがして一緒に夜の砂漠を歩き、自然から多くのインスピレーションを得たのだという。このコラボレーションがいかに自然に育まれていったかがよくわかる、とても良いエピソード。


Miss Espana - Niebla Mental
マドリードの女性三人組。UKパンク・レーベルLA VIDA ES UN MUSからのデビュー作。ポストパンクを基調にベースとドラムでシンプルに進行しながら、ストレンジなシンセの音がハイテンションなアクセントを加えるシンセ・パンク。スペイン語で歌われる歌詞は攻撃的で、例えば“Lirio Blanco”(=白いユリ)では「ユリを摘まないでください 私の白いユリ 今、それは壊れたユリです 今、私はあなたを殺しに行きます」(もちろんGoogle翻訳)と歌われる。次の“Daga de Dama”(=女のダガー)では、狂気のレディ・ダガーで「あなた」の肉を簡単に突き刺せる、と宣告する。ヒステリックで退廃的な怒りのパンク!


Moni Jitchell - Unreal
グラスゴーの2人組ノイズコア・バンド、1stフル。身も蓋もないことを言えば、バンド名が素晴らしい。かつてRUN DMTとかいうふざけた名前のアーティスト(現Drugdealer)が"SPRUCE BRINGSTEEN"とかいうふざけた曲(いい曲)を歌っていたことがあったが、僕はこういう類の言葉遊びが大好き。古くは「ジャイケル・マクソン」「モリリン・マンロー」「けつだいらまん(松平健)」「しりもんいち(森進一)」、近年では「ゴツゴツのアハン!」とかも含まれるんだろうけど、やっぱり人名で遊ぶのが一番おもしろい。で、Moni Jitchellは、ボーカル/ドラム+12弦ギターというバンドとしては最小限の編成(ライブはドラムセットなしのようだ)。プレスの言葉を引用すれば、"Twelve strings. Two amps. Two people. One mic."。そこから生みだされるカオティックなノイズ・ロック/マスコア・サウンド。かっこいいです。


P.E. - NOPE Tapes Vol. 2
2月編で取り上げた『NOPE Tapes Vol. 1』の続編。今回も全編インプロビゼーションによるインダストリアル&トライバル・ノイズ。SuicideやThrobbing Gristleといった先達へのリスペクトが感じられます。

quinn - interstate 185
ジョージア在住、現在18歳のラッパー/プロデューサーquinn、今年2作目のミックステープ。僕が彼女の音楽を聴き始めたのは、彼女がいわゆる“hyperpop”シーンから退いて、ヒップホップにアプローチし始めた2021年の『drive-by lullabies』からである。その転換において、最も強くインスパイアされたと公言するのは、Slauson MaloneことJasper Marsalis、および彼がかつて所属していたNYのジャズ~ヒップホップ・コレクティブStanding On The Cornerの名盤『Red Burns』である。昨年のセルフタイトル作(傑作)は、Marsalisの助言を多く受けながら制作されたそうだ。で本作、いきなりイントロ(+アウトロでも)で吉田美奈子「扉の冬」をサンプリング。dj blackpowerやdroppedmilkがこの曲をサンプリングしていたのも記憶に新しいが、やっぱりキャラメル・ママがすごいのか。本編は基本的にはUzi, Carti系のビート&フロウ。今年に入ってからの作品は、昨年までよりも現行のヒップホップ・シーンに接近しているような印象だ。まだ18歳、末恐ろしい。

Roger 3000 - Reste Envie
ブリュッセルのミュージシャンRoger 3000ことJulien Meertの1stフル。ヒプノティックなニューエイジ系フォークで、11曲中7曲はインスト。あとの4曲はフランス語で歌われている。これまでにも20年のEP『Fiftine』やLawrence le Douxとの共作シングル『Chou Chou』など、細々としたリリースがあるが、どれもすごく良い。可愛らしいアートワークは画家でもある彼自身が手掛けている。


Roxy Gordon - Crazy Horse Never Died
1945年生まれのアメリカの作家/詩人/マルチメディア・アーティスト/ネイティブ・アメリカン活動家/ミュージシャンRoxy Gordonの1988年作がParadise Of Bachelorsより再発。スポークン・スタイルのアウトサイダー・カントリーで非常にユニークなのだが、特に3曲目"Living Life as a Living Target"でのジョン・カーペンターのようなシンセの響きには虚を突かれる。そこでは、迫害されながらもサバイブする人間の生をプレーリー・ドッグのそれに例えながら称えている。ほかの曲でも、そういった収奪や暴力といったテーマが物語られる。PoBは今後もGordonの作品のリリースを計画しているようだ。余談だが、Gordonは僕の大好きなテキサスのフォークシンガーTownes Van Zandtと親しかったらしいです。


Ryan Pollie - The Fridge 2
1月編で取り上げました『The Fridge』の第2弾。今作も30分程度のエクスペリメンタル・フィルムのサウンドトラックを兼ねたライブ・アンビエント作品。映像も結構良いです。


Seán Barna - An Evening at Macri Park
ブルックリンにあるゲイバーMacri Parkを舞台に、クィア・コミュニティのナイト・ライフを物語るコンセプト・アルバム。曲を聴きながら、70年代のルー・リードを思い出すかもしれない。実際、"Sleeping with Strangers"では歌詞の中にルー・リードが登場する。"I think about Lou Reed and his album Berlin. And then I think about how Lou Reed treated His Trans girlfriend." 75年のアルバム『Coney Island Baby』に結実するリードとトランス女性の恋人レイチェル・ハンフリーズの関係は有名だが、ここでBarnaはリードの"クィアネス"を称揚するような言説に対する批判を念頭に、90年にエイズ病院で亡くなったハンフリーズに思いを馳せている。


Stuck - Freak Frequency
シカゴの4人組Stuckの2nd。マナーに沿ったポストパンクのグルーヴに乗せて、Qアノンの悲惨、不条理な社会システムへの皮肉交じりの怒り、愛することの恐ろしさといったテーマをエネルギッシュにぶちまけていく。ゆったりしたオープニングのリフから鮮やかに加速してギター、ボーカル、コーラスがユニゾンするクロージング・トラック"Do Not Reply"で大団円。最高です。


Symposium Musicum - Symposium Musicum
スロバキアの実験レーベルmappaより、国内のロマ人コミュニティで行われたフィールド・レコーディングを元に構築されたサウンド・コラージュ作品で、民族誌ドキュメンタリー×サウンド・アートの大胆な実践。M2 "Simultan Camps"では、M1 "Takt"から連続する現地の住民の話し声が、突如として不自然なノイズに覆われ、それまでの風景が映画的に激変する。その後、再び村の自然や人々の生活音にフォーカスしつつ、M6 "Attention"での激しいポリリズムが、子供たちが落ち葉で遊ぶ破裂音を記録したM7 "Kavka"に繋げられるなど、奇天烈なポスト・プロダクションがすごく面白い。傑作!


The Pigeons - Bird Brain Gang
鳩をメイン・テーマに据えたサイケデリック・ポストパンク・アルバムが爆誕。メンバーはラモーンズよろしく全員Pigeonという名字を名乗っているが、バンドの首謀者Phil PigeonはPhil MFU(サイケ・ポップ・バンドVanishing Twinのメンバー)であることが全然普通に明らかにされている。序盤のハイライト"Amanda Fielding"は、LSD研究者として有名なアマンダ・フィールディングの鳩との恋愛関係を、鳩ポッポ視点で歌ったラブソングだ。その後の"Pigeon Rock"では、60年代に始まったとされる鳩とロックン・ロールの関係が、サイケなシンセ・パンク・サウンドをバックに解説されている。まあ全部ジョークみたいなもんだが、鳥類が好きなそこのキミ(無)、間違いなく聴いてくれ。


The Split Bell Chime - The Split Bell Chime
Dean Spunt(No Age)が主催するレーベルPost Present Mediumより、WandおよびBehaviorのメンバーが結成した新バンドThe Split Bell Chimeのデビュー作。Wandのソフト・サイケとは打って変わって、The Dead Cを彷彿とさせるヘヴィな即興ノイズ・ロック全5曲。


Various Artists - Canto A Lo Divino
埋もれた良質なフォーク・ミュージックを発掘するMississippi Recordsより、チリに伝わる25弦ギタロンで奏でられる宗教民謡Canto A Lo Divinoをフィーチャーしたコンピレーションがリリース。25弦ギタロンという一風変わった楽器の持つ催眠的なムードと、農民たちのフォークロアな旋律に魅了される。


Wolf Eyes - Dreams In Splattered Lines
年初のコンピレーション『Difficult Messages』に続く、結成25周年を迎えたデトロイトのノイズ番長Wolf Eyesの新作。不安感を呼び起こす電子ノイズや自作楽器の粘ついた音色、撹乱するビートなどが蠢く2~3分の短い楽曲群。グロテスク&ホラーな悪夢のサウンドトラック。


今月は以上!東映映画『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』主題歌「りんどばーぐスペシャル」(荒木一郎ver.)でお別れです。R.I.P. 中島貞夫!

NEW MUSIC TROLL - APR

琴線に触れた新譜を羅列する企画"NEW MUSIC TROLL" 4月編です!

Alaska & Steel Tipped Dove - The Structural Dynamics of Flow
Backwoodz Studioz(billy woods. Armand Hammer)やRuby Yacht(R.A.P. Ferreira f.k.a. Milo, s.al)周辺のラッパーにビートを提供してきたNYのプロデューサーSteel Tipped Doveと、00s アンダーグラウンド・ヒップホップの名盤『The Cold Vein』(Prod. El-P)で知られるCannibal Oxを擁するNYのコレクティブAtoms Familyのメンバーであるベテラン・ラッパーAlaskaとのジョイント作品。Steelは今年すでにNosaj from New Kingdomとの共作『House of Disorder』もあるし、また今月にも新しいプロジェクトがリリース予定だとか(追記:リリースされました!→https://fusedarrow.bandcamp.com/album/the-trumpets-obviously-been-drinking)。プロデューサー・オブ・ザ・イヤー待ったなし!

Benefits - Nails
ノース・イースト・イングランドはティーズサイドのポリティカル・ノイズ・パンクスBenefits。パンデミック下の2020年ごろから、時事問題に即時反応した政治的楽曲をBandcampやYouTubeで公開していたが、この度Geoff Barrow(Portishead)が運営するInvada Recordsよりついにアルバム・デビュー。歌詞のテーマは反愛国主義や反排外主義、つまり現在の英国の政治状況に対する怒りと絶望である。フロントマンのKingsley Hallがファンを公言するSleaford Modsからの影響は音楽性やアティテュードに強く見られるが、そこにModsのようなユーモアは見られない。マジなのだ。
バンドのオフィシャルTシャツのフロントには"LEFTY WOKE SHITE"の文字(画像の着用モデルはボーカルのHall氏本人です)。日本に置き換えるなら「意識高い・クソ・パヨク」だろうか。残念ながらソールドしているので、みなさんもパヨクTシャツ作っておいてください!ネトウヨの方は「差別大好き・クソ・ウヨ」Tシャツ作っておいてください!

Bill Direen/Bilderine - Split Seconds
83年にFlying Nunからアルバム『Beatin Hearts』でデビューしたNZアンダーグラウンドのミュージシャンBill DireenのBilderine名義での2ndが、1stと同じくネブラスカのシンガーソングライターSimon Joynerが立ち上げたレーベルGrapefruitsからリイシュー。ポストパンクというよりは、60sガレージ/サイケ色の強いロック・サウンド。Tall Dwarfs, The Bats, The Terminalsなど後にOZシーンで活躍するバンドのメンバーも参加。そのあたりのKiwi Rockが好きな方はマストです!

Bill Orcutt - Jump On It
90年代にはカルト・ノイズ・バンドHarry Pussyで活動。その解散後、ブランクを経てソロ・ギタリストとしてリリースを重ねるBill Orcuttの最新作。アコースティック作品は13年の傑作『A History Of Every One』(もしくは14年のレーベル企画盤『VDSQ - Solo Acoustic Volume Ten』)以来約10年ぶり。ミニマリズムに力点を置いた前作『Music For Four Guitars』からの連続性も感じられるが、基本はDerek Baileyであり、Loren Connorsであり、Robbie Bashoであり、Guitar Soliなのではないかと思われる。ギターを弾き鳴らすOrcuttの息遣いが比喩ではなく聞こえてくる、その近しさが良い。天然のリバーブもまた美しい。

Buddie - Agitator
バンクーバーのインディーロックバンド2nd。真っ当に90~00s オルタナ/インディーの影響を受けた、まあこれといって変哲もない音なのだが、不思議とこういうのが刺さるときもあるのだ。歌詞は結構政治的で、ミドルテンポのパワーポップ"Game of Global Consequence"では10年代のオキュパイ運動から連なる、いわゆるジェネレーション・レフト的な感覚が直に歌われている。

Cindy - Why Not Now
April Magazineなどと共にサンフランシスコ独特のインディーシーンを形成するCindyの4作目。やはりGalaxe 500, Mazzy Starあたりを想起せずにはおれないドリーム・ポップ~スロウコアであるからして、好きに決まっているのである。18年にセルフリリースされた1st『Cindy』(近年稀にみる猫ジャケ)もこのタイミングでLPリプレス。

defprez - It's Always A Time Like This
シカゴのラッパー兼高校教師Adam Levin a.k.a. Defceeとメリーランド出身のCRASHprez, プロデューサーknowsthetimeのユニットdefprezの新作。両MCの真に迫った辛辣でコンシャスなリリックをじっくり噛み締めたい。
"Impossible is my realistic. I wrote tracks in stone sap. Asking why I play the sad rapper role. I don’t act." ("Cold Wax")
"Thought we found the bottom, but the lows gettin lower." ("Inheritance")
"Another day, another risk. Underpaid with double shifts. Take what I can get, even if it’s an ugly bliss." ("Endless") 
"Ain’t no justice for the slain, just the prisons we enjoy. We productive in the flame, we persistent to the ploy. Your indifference is a toy." ("Wake")うーん、現実辛すぎ!そしてアルバムタイトルは「いつもこんなかんじ」。やりきれないですね!(非正規雇用のワープア30歳より)

Donna Candy - Blooming
ボーカル、ベース、ドラムという最低限の編成からなるマルセイユの三人組デビュー作。ヘヴィな演奏にエフェクト過剰なボーカルが転げまわるビザールな混沌ノイズ・ロック。

dragonchild - dragonchild
ボストンのエチオ・ジャズ・グループDebo Bandを率いたDanny Mekonnenによる新プロジェクトのデビュー作。エチオピアのレジェンド・ミュージシャンHailu Mergia, Yezinna Negashのサンプリングや、エレクトロニクス、フィールド・レコーディングを用いたコンテンポラリー・ジャズの傑作。claire rousayが参加した長尺ドローン"Meditation (Reprise)"も素晴らしい。片面プレス4LPのフィジカル版では、4枚同時再生が可能なのだという。友達がいる人はやってみよう!

Emahoy Tsege Mariam Gebru - Jerusalem
こちらもエチオピア。今年99歳で亡くなった修道女/ピアニストのエマホイ・ツェゲ・マリアム・ゴブルーのアーカイブ音源集。マイク・ミルズの傑作『カモン カモン』でも彼女の曲が使われていましたね。

Entidad Animada - Pruebas De Existencia
メキシコのエクスペリメンタル・レーベルUmor Rexより。アルゼンチンの電子音楽家Entidad Animadaの作品。StereolabやSpacemen 3、90sシューゲイザーに影響を受けたというメロディアスなアンビエント。昨年発見したブラジルのレーベルMunicipal K7もそうだが、南米のエクスペリメンタル・シーン気になります。

Extestines - Stang
素晴らしい実験レーベルHausu Mountainを運営するMax Allison(Mukqs, Good Willsmith)がキュレーションするBlorpus Editionsからのリリース。収録曲全てがStingの代表曲"Desert Rose"をサンプリングして作られているという偏執系コラージュ・ノイズ作品。

FACS - Still Life In Decay
90年代にはポスト・ハードコア・バンド90 Day Men、00年代後半からはSonic YouthのSteve Shellyも在籍したDisappearsで活動したシカゴのミュージシャンBrian Caseの最新プロジェクトFACSの5作目。ヘヴィなベースラインと耽美なギターフレーズの反復がカタルティックに展開する"Slogun"、アルバムを締めくくる長尺の"Still Life In Decay", "New Flag"など、孤高のアートパンク。

Fire-Toolz - I am upset because I see something that is not there
シカゴのエクスペリメンタル・アーティストAngel Marcloidのメイン・プロジェクト最新作。Fire-Toolzの音楽性ほど簡潔に形容しにくいものもなかなかないと思うが、MarcloidのWikipediaページからの引用すれば、"which blends different genres such as vaporwave, IDM, jazz fusion, ambient, extreme metal, prog, industrial, new-age, screamo, and noise, among others."であり、だいたいそのようなものだと言える。80s ジャズ・フュージョンのヴェイパー的なノスタルジアと、グラインドコアのブラストビートと、ブラック・メタル/スクリーモなボーカルとが高密度に共存する唯一無二のスタイル。彼女自身はその出自をノイズ・シーンであると語っていたが、もはやヴェイパーウェイバー、メタラー、プログレッシブなクラブ音楽好き、エモ・キッズなど、そのファン・コミュニティはジャンルを超えて広がっていると言う。ドレス、パズル、サンダルなど幅広いグッズ展開も面白い。

Fly Anakin - Skinemaxxx (Side A)
自身が立ち上げたリッチモンドのヒップホップ・コレクティブMutant Academy所属のビートメーカーFoiseyとのジョイント作。東海岸なトラックの上でオフビートに爆ぜるAnakinのハイトーンなフロウがやっぱり超良い。

Gabe 'Nandez - Pangea
国連関係の仕事をしていた父に連れられて青年期までをハイチ、タンザニア、エルサレムなど転々と過ごし、母語はフランス語という少し変わった経歴を持つNYベースのMC。billy woodsのインスタント・クラシック『Aethiopes』にも客演。いかにも育ちがよさそうだが、ハイチのスラムで暮らす少年たちの姿を目撃することの罪悪感、兄の事故死など、不安定な境遇の中で13歳のころからドラッグやアルコールに手を染めたといい、その経験は"Transactions"でも語られている。ブルックリンのプロデューサーTony Seltzer(Wiki, Mike, Princess Nokia, Sneaks)が手掛けたヒプノティックなブーンバップ・ビートの上でNandezがハスキーなバリトンでロウにまくしたてる。

Giuseppe Ielasi - Down On Darkened Meetings
ミラノのベテラン・アーティストGiuseppe Ielasiの最新作はOren AmbarchiのBlack Truffleより。FenneszやLoren Connorsを思わせる、エレキギターによる実験作品。

Hayden - Are We Good
90年代から活動するカナダのSSW、8年ぶりの新作。代表作『Everything I Long For』はよく中古屋でも見かけるし、デビュー当時は宅録ローファイ・フォークの括りで日本でもそこそこ人気があって来日公演も行われたというが、この最新作も傑作なのでリアルタイムリスナーの中年の人聴いてください!Aaron Dessner, Matt Berninger(The National)、Feistが参加。リード曲"On A Beach"のMVにはみんな大好きスティーヴ・ブシェミが出演。

Jacques Puech - Gravir / Canon
フランスの実験音楽コレクティブLa Nòviaの一員Jacques Puech。オーベルニュ地方に伝わるバグパイプの一種であるカブレットによる即興作品。5本のカブレットが複雑に絡み合う多層ドローンのM2 "Canon"が素晴らしい。

Jana Horn - The Window Is The Dream
テキサス出身シャーロッツビルを拠点にするSSWの2nd。ヴァージニアの大学院で芸術修士課程に在籍し、学生たちにフィクション・ライティングを教えたり、論文を書いたりしながら制作されたという。素朴でありつつも趣向を凝らしたバンド・アレンジとHornのあいまいなメロディーとデッドパンな歌声が不思議なエモーションを呼び起こす。

King Cobra - Blunt Wraps & Cobra Coils
アメリカのノイズ・レーベルdeathbed tapesより。King Cobra JFSことJoshua Fay Saundersによるヒップ・ホップ・アルバム。King Cobra JFSとは何者か。ワイオミング州キャスパーに暮らすSexy Goth Bad Boyである。
まあ、YouTuberである。2011年からYouTubeでVlogの投稿を開始し、現在もライブ配信などでフード・レビューをしたり、質問に答えたり、煙草を吸ったりしている。理由はわからないが、一部に熱量の高いファンが存在(エクストリームな中年を面白がってるとしか思えないのだが)。ラッパーのDanny Brownも自身のPodcastで彼を(小バカにしながら)紹介していた。今回のアルバムではライバルYouTuberであるCyrax、自身の切り抜き動画をアップロードするチャンネルBite Size、さらには全米で頻発するマス・シューティングへの非難など、彼が溜め込んだ怒りが炸裂。タイトル曲ではDanny Brownの名前も叫ばれていたが、何を言っているのかはよくわからない。一応彼もミュージシャンではあるが、アウトサイダー・ミュージック的な感触は拭えない。「deathbedの新作か~、聴いてみよう。うんうん、なかなか良いじゃんか。」と思って調べてみたらこんなかんじでした。発表終わり。

kœnig - 1 Above Minus Underground
オーストリアのドラマー/作曲家/ラッパーLukas KönigがKING VISON ULTRAこと
GENG PTPが運営するNYのレーベルPurple Tape Pedigreeよりリリースした新作。ノイズ・ユニットMOPCUTとしても活動する彼だが、今作ではNappy Nina, Moor Mother, Sensational, Dälek, Guilty Simpsonといったラッパーや、Victoria Shen, Rojin Sharafi, Elvin Brandhiといったサウンド・アーティストをゲストに迎えたエクスペリメンタル・ヒップホップを披露。 プログレッシブなジャズ・レーベルInternational Anthemから作品をリリースするトランペット奏者Aquiles Navarroに、大友良英との共演作品もあるサキソフォニストChris Pitsiokosというフリージャズ畑のミュージシャンも召集している。

Lisa/Liza - Breaking and Mending
シカゴの素晴らしいDIYレーベルOrindal(Dear Nora, Wednesday, Robert Stillman, Karima Walker, Gia Margaret, Claire Cronin)の古参アーティストLisa/Lizaの5th。Judee Sillの名曲"The Kiss"をオマージュしたタイトル曲、20年に亡くなったインフルエンシャルなフォーク歌手John Prineの名をそのまま冠した"John Prine"など、美しいインディ・フォーク作品。

Martyna Basta - Slowly Forgetting Barely Remembering
スロバキアのアンビエント・レーベルWarm Winters Ltd.より、ポーランドのアーティストMartyna Bastaの新作。ASMR的なボーカルやフィールド・レコーディングのサンプル、そしてツィターやギターの響きが心地よさと不気味さの間を漂うアンビエント作。claire rousay参加。

Natural Information Society - Since Time Is Gravity
The Rootsの初期ベーシストであり、Town & Countyなどシカゴ音響派のポスト・ロック・シーンやフリージャズのフィールドで活躍したJoshua Abramsが率いる前衛ジャズ・グループの新作。Evan Parkerと共演したライブ盤『descension (Out of Our Constrictions)』も素晴らしかったが、今回は10名以上のミュージシャンを集めてスタジオ録音されている。日本製のヴィンテージ・ドラムマシンAce Tone Rhythm Aceも用いつつ、トライバルなスピリチュアル・ジャズが展開する濃密なアルバム。

NEW MEXICAN STARGAZERS - RETURN 2 WHITE SANDS ARCADE
@ecnereferのLo-Fi/New Age/VaporwaveプロジェクトNEW MEXICAN STARGAZERSの新作。"(enter)"に始まり"BACKDOOR"に終わる、仮想空間内のゲームセンターを案内するような一作。過去には"LIVE AT WHITE SANDS ARCADE"という作品もリリースしているが、WHITE SANDS ARCADEが実在する場所なのかは不明…。

North Americans - Long Cool World
Hayden Pedigo, Matt Kivel, Meg Duffy(Hand Habits)の別プロジェクトyes/and, CFCFなどをリリースするDriftless Recordings主宰Patrick McDermottによるアンビエント・フォーク・デュオの最新作。Jack WhiteのThird Manより。

Nourished By Time - Erotic Probiotic 2
ボルチモア出身ロンドン在住、Yaejiの最新作『With A Hammer』にもゲスト参加していたDIYシンガーソングライターのデビュー作。ボルチモアにある両親の実家の地下室で制作されたという80s likeなエレクトロ・ファンク/シンセポップ。

OG Aborigines - The Man with the X​-​Ray Eyes
ラッパーRapswell & Bobby NobleとビートメーカーSQからなるNYCのヒップホップ・グループPENPALSのサイド・プロジェクトOG Aborigines(Rapswell & SQ)の新作。『X線の眼を持つ男』というタイトルからもわかるように、全編なぜか"KING OF B MOVIE"ことロジャー・コーマンへのトリビュートになっている。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『デス・レース2000年』『白昼の幻想』『ガス!』『忍者と悪女』、コーマン監督作品のタイトルがそのまま曲名になっており高まる。もちろん映画本編の音声もサンプリング。3月に新作をリリースしたプロデューサーSpectacular Diagnosticsが手掛けたアートワークも◎。

Proc Fiskal - RT Hon EP
Hyperdub所属スコットランドのプロデューサーProc Fiskalの最新EP。自身とパートナーの声をサンプリングしたボーカル・チョップを軸にした、エクスペリメンタルなベース・ミュージック。

Rắn Cạp Đuôi Collective - *1
ハノイのMona Evieと並んで一部で盛り上がりを見せるベトナムのエクスペリメンタル・シーン(実際シーンってものがあるのかはわからないが)の筆頭、ホーチミンを拠点とするアート・コレクティブRắn Cạp Đuôi(意: 蛇のしっぽ)。その名を知らしめた21年作『Ngủ Ng​à​y Ngay Ng​à​y T​ậ​n Thế』に続く最新作。IDM、ドラムンベース、シューゲイザー、ノイズ、アンビエント等を横断しつつ、メロディーにもしっかり心を掴まれる。

Ribbons - Dora
おなじみコペンハーゲンの実験レーベルPosh Isolation主催Christian Stadsgaard(Damien Dubrovnik, Vanity Productions)とポーランドのアーティストStefan Węgłowskiによる新ユニットRibbonsのデビュー・アルバム。グリッチ/コラージュで構成されるダーク・アンビエント。

Romance - Fade Into You
2月にリリースされたDean Hurleyとの『River Of Dreams』も記憶に新しいUKのアンビエント作家Romanceの新作。メロドラマへの固執は相変わらず、今回はドイツの映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの傑作『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(フランソワ・オゾンによるリメイク『苦い涙』が間もなく公開される)にインスピレーションを受けて制作されたという。セリーヌ・ディオンのサンプリングにしても、やっぱり目の付け所が素晴らしい。『ペトラ~』本編で非常に印象深いイルム・ヘルマンのワンショットをそのままアートワークに使用している。レコードで買った!

Sandy Ewen/Jason Nazary - A Beaded Gesture
ブルックリンを拠点に活動する前衛ギタリストSandy Ewenと、2月にSaint Abdullahとの共演作『Evicted In The Morning』をリリースしたドラマーJason Nazaryのデュオ作品。ニューヨーク・キングストンのカセット・レーベルNoticeより。Ewenのプリペアド・ギターとNazaryのフリーなドラムによるスリリングなインプロビゼーション録音。

Snowy - lipreader
メルボルンのミュージシャンLiam Halliwellを中心に結成されたインディー・ポップ・バンドSnowy (f.k.a. Snowy Band)の新作。オーストラリアと聞いて安易にイメージするジャングルなかんじとは違い、Dean Wareham(Galaxie 500, Luna)を連想させる"Sorry I Missed You"など、むしろサンフランシスコのCindyやApril Magazineに近いスロー&ウィスパーなグッド・ミュージック。

Terry - Call Me Terry
Total Control, Primo!のメンバーで結成されたメルボルンのTerry、5年ぶりの新作。Snowyとは打って変わって、冒頭からいかにもOZインディーなローファイ・サウンド。個性的なユニゾン・ボーカルも相変わらず。しかし、すっとぼけた印象とは裏腹に歌詞の内容は非常に政治的で、アルバム・ジャケットの写真と密集したキャプションはそれを読み解くヒントとなっている。"Balconies"に付け加えられているのは、メルボルン生まれのメディア王ルパート・マードックが会長を務めるニューズ・コープ社の写真。マードックといえば、最近ドミニオン訴訟でめでたく敗訴したアメリカの極右放送FOXニュースの会長でもある。女性の人工妊娠中絶の権利を認めた"ロー対ウェイド判決"の原告ノーマ・マコービーが使用していた仮名をそのまま曲名に冠したM8 ”Jane Roe”は、コーラスで"baby, baby, baby, it's your choice, you choose"と歌われるプロチョイス・ソングである。とぼけたフリして注意深いリスニングが求められるアルバムだ。直接関係ないが、インタビューによればメンバーのAl Montfortの別バンドDick Diverが新アルバムを準備中だという。Dick Diver大好きなので楽しみ!

THX1312 - Auditions For Patron Saint ov Cop Suicide
REALICIDEとして活動してきたRobert Inhumanのハードコア・デジタル・ガバ・ノイズ・パンク・プロジェクトTHX1312がDeathbomb Arcからリリースした新作。このプロジェクトのテーマはただひとつ、"Anti-Police"(!)である。プランダーフォニックス、カットアップの手法を用いて、ひたすら反警察を唱え続ける素晴らしい作品です!

Tim Hecker - No Highs
「現在流行している胡散臭い企業アンビエントの氾濫に対する不安の狼煙」とプレスリリースで説明されているように、これは耳心地の良い音楽ではない。アルバム全体で鳴り続ける信号のように明滅するシンセサイザーのパターンは、ときにそのペースを撹乱させる。Colin Stetsonのサックスはときに意図的にボリュームを絞られ、ついに霧消してしまったかと思えば、幽霊のように別の場所に現れる。ジャケットに写るのは、ぼんやりと逆さに浮かぶグレーの都市。俗流アンビエントを否定するアンビエント。

Washer - Improved Means To Deteriorated Ends
メンバーそれぞれブルックリン、フィラデルフィア在住のローファイ・デュオWasherの最新作。2014年にブルックリンのインディー・レーベルExploding In SoundからBig Upsとのスプリットでデビュー。2016年には1stフル、翌年には2ndをリリース。2人だけで演奏されるミニマルでキャッチーなローファイ・ガレージ・ポップで当時結構好きだったのだが、2020年に計画されていたというツアーと新作は例によってパンデミックでキャンセル。リモートで曲作るとかそんな器用なこと彼らにはできなかったのか、随分と計画が後ろ倒しになって6年(!)振りの新作リリースとなった。「待ってた!」ってほどでもなく、「まだやってたんだ!」というかんじであるが、聴いてみたら何も変わってなくてやっぱり好きだった。僕も変わってなかった。

Wednesday - Rat Saw God
ノース・カロライナのインディー・ロック・バンドWednesdayのDead Oceans移籍一作目。僕はむしろギタリストJack Lendermanのソロ・プロジェクトMJ Lendermanから先にハマったくちであり(21年の傑作『Ghost Of Your Guitar Solo』が4月にアナログ化された!)、なのでスローなM4 "Formula One"でフロントに立つKarly HartzmanとLendermanとのデュエットが始まった瞬間がかなり高まる。とはいえ、本作の感情的ピークは先行シングルとしてリリースされた2曲目"Bull Believer"の素晴らしいラスト3分間にすでに置かれているのだが。"Formula One"の一番最後のラインでは、リチャード・ブローティガンの詩の一節"Love’s not the way to treat a friend."が引用されている。実はHartzmanがブローティガンを引用するのはこれが初めてではない。2ndアルバムのタイトル『I Was Trying to Describe You to Someone』、これもブローティガンの詩の引用であり、アルバムのラストには"Revenge of the Lawn"(『芝生の復讐』)という曲まで用意されている。ブレイク作となった3rd『Twin Plagues』の収録曲"Toothache"では、再び『芝生の復讐』収録の短編『1/3 1/3 1/3』の一節"Toothache sky is ‘bout to rain"が引用される。もっといえば、同作収録"How Can You Live If You Can't Love How Can You If You Do"の曲名はジェームズ・ボールドウィンの長編小説『もう一つの国』にある台詞の引用である。ちなみに『もう一つの国』は僕の生涯ベスト小説のひとつでもあるのである。というか、僕もブローティガンは好きなのである。というわけで、Hartzmanの書く詞は、小説やゲーム("Bull Believer"におけるモータル・コンバット)など、他の創作物の直接的なリファレンスに満ちており、これは僕の好きな傾向なのだ。例えば、映画を引用しまくるイギリスのギター・ポップ・バンドComet GainのソングライターDavid Christianもそう。誰かの何かを参照することなしに自己表現ができない永遠ワナビーである僕は、そういう表現が好きなのだ。そんなComet Gainのレアトラック集『The Misfit Jukebox』は6月2日リリース!乞うご期待!

XV - On The Creekbeds On The Thrones
ミシガンの3人組アート・パンク・バンド2作目。ポストパンク/ノー・ウェーヴ、The Fallや中期Half Japaneseに似た雰囲気も感じさせるが、女性3人組という意味では3月編で紹介したOlimpia SplendidやNYのPalbertaを想起する。プロデュースはミシガンDIYシーンの重鎮Fred Thomas(Chore, Lovesick, Saturday Looks Good To Me)。XVのメンバー3人ともThomasとは長い友人・バンドメイトであるようだ。Claire CiroccoはThomasとのデュオ作品『No Groove』を出しているし、Emily RollはThomasとThe Ice Creamsというバンドを組んでいるし、Shelley SalantはThomasがドラムを叩くガレージ・バンドTyvekのメンバー。Fred Thomas、まじミシガンの顔役。プレスリリースに載っているSalantの言葉が良い。“I don’t understand what Claire or Emily are doing, but it works when we play together.”

Xylouris White - The Forest in Me
ギリシャはクレタ島のリュート奏者George XylourisとDirty ThreeのドラマーJim WhiteによるデュオXylouris Whiteの5作目。21年にリリースされたBill Orcutt & Chris Crsano『Made Out Of Sound』が、パンデミック無くして生まれ得なかった傑作であったように、本作もまた世界的な隔離施策の影響下、リモートで作られている。遠く離れた地の音と音を橋渡ししたのは、このデュオのアルバム全てでプロデュースを担当してきたGuy Picciotto (Fugazi)だ。フリージャズやトラディショナル・フォークと同時に、どこか90年代ポスト・ロックの香りも漂っている傑作インスト。

YUNGMORPHEUS - From Whence It Came
LAのラッパーYungmorpheusの最新プロジェクト。サンプル・ベースで東も西も行き来するようなブーン・バップ中心のアンダーグラウンド系ビートが良い。Ohbliv (Armand Hammer, MIKE, al. Divino, ), Graymatter (Maxo, Conway The Machine), JUNIE. (Medhane, Akai Solo), Shungu等、10名以上のプロデューサーを招きながらも統一感のある全19曲。Jimetta Roseのソウルフルな歌声が印象的な“Where It Goes”, Fly Anakinが飛び道具的なフロウを披露する“Cassava Bread”, Blu&MadlibのコラボレーターMEDが客演する"What You Won't Do", B.Cool-Aidの片割れAhwleeが参加したG-Funk調の“For The Evening”, ハープ奏者Marry Lattimoreをフィーチャーした“Shattered Glass”などバラエティに富んだゲスト陣。

Shizuka - Heavenly Persona
人形作家の三浦静香を中心に、裸のラリーズ/不失者のギタリスト三浦真樹らで結成されたバンド静香の1994年唯一作『天空のペルソナ』が再発された!灰野敬二、ハイ・ライズ、White Heaven、高柳昌行、三上寛、ハレルヤズなど、日本のアンダーグラウンドな音楽シーンを牽引したP.S.F.レコードのカタログを復刻する毎度おなじみLAのBlack Editonsより。もしも戸川純がHope Sandovalだったら…みたいなかんじのサイケデリック&ゴシック・ドリームポップで素晴らしい。

じゃあ今月は以上です!